疲れた心にしみる珠玉の料理エッセイ3冊
疲れていると料理本が読みたくなる
- 料理は壊滅的に苦手だけど、疲れたときは料理本を手に取ります。レシピ本でも良いのですが、一番良いのは料理家の方が書かれたエッセイや日記です。普通のときも大好きですが、とりわけくたびれているときは心に沁みるような気がするんですよねー。『ていねいな暮らし』て文字にすると陳腐になりますけど、弱っているときに、作者が日々料理を作り、人と話をし、散歩をし、淡々と生活していく様子を眺めると不思議に元気が出てきます。日常生活の中で作られるお料理は、絵本や児童文学の中と同じようにやたらに美味しそうですし、「きちんと生きること」へと気力も湧いてきます。今日紹介するのは、そんな疲れたときこそ読みたい料理家さんのエッセイを3冊ご紹介します。読書の秋に、くたびれた夜に、ささくれだつ心に染み渡りますよー
1.高山なおみ「日々ごはん」
- 作者: 高山なおみ
- 出版社/メーカー: アノニマスタジオ
- 発売日: 2004/06
- メディア: 単行本
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料理エッセイの枠を超えて、「料理」を核とした日記文学と言えると思います。日々料理をし、そうじをし、生活を積み重ねていく毎日。夫のスイセイさん、スイセイさんの娘のりうさん。仕事をする仲間たち。高山さんのホームページに連載されてる日記を書籍化したもの。シリーズ化していて、実際の年月に沿って刊行されてます。著者の周りで時間が流れていくのを一緒に感じられるのも楽しく、愛しいです。
2.平松洋子「忙しい日でも、おなかは空く」
平松洋子さんの作品はどれもこれも大好きなのですが、疲れてるときに読むのにぴったりなのは題名からもこれかな?と。疲れてるときは何もしたくない。心がささくれてるとき、悲しいとき、くたびれたとき。そんなときでもほんのちょっとのことで、ひたひたと満たされる。素材の美味しさだったり、自分への思いやりだったり。滋味あふれるごまごはん、季節外れのトマトを焼いたパスタ、梅醤番茶。ちいさなレシピとエッセイは、作らなくても温まります。
3.渡辺有子「365日。」
エッセイの文字すら読む気力がないときはこちら。1月1日から12月31日まで、365日。1月1日はおせち、3月3日はひな祭り。季節折々の行事や日々の献立、旬の食材、旅、洋服、家具、生活の一場面を切り取った写真に添えられた数行のエッセイ。画集みたいにぱらぱらとめくってるだけで、著者の世界観に触れられます。好きなものや譲れないことがはっきりした、芯のある人の暮らしを覗くことで、ぐらぐらした自分が少しずつ落ち着いていきます。
いかがだったでしょうか?いざ自分がくたびれたときのお守りをできるだけ持っていたいな、と思います。ではでは、今日もここまで読んでいただきありがとうございました♡